□ スパーダ
(そうだ…)
(この熱の中で、オレは生まれ、
鍛えられた…)
※ 前世(聖剣デュランダルとバルカン)
カンカンカン
□ バルカン
さあ、お前の魂の息吹を。
名はデュランダル。
この名をその刀身に刻め
□ デュランダル
…こ こ は どこだ。
お前は誰だ…
□ バルカン
ここは、私の鍛冶場だ。
私はバルカン。
いわばお前の親だな
□ デュランダル
我は何のために生まれた
□ バルカン
多くの者を活かすため。
だが、それも主次第か
□ デュランダル
我は剣。
武具に過ぎぬ我が、
多くの者を活かすため、だと?
□ バルカン
ああ、そうとも。
そう願って、私はお前を作った
一つ、話をしよう…我が息子よ。
お前の前に一本の槍を作った
この世界で最も強い槍となるように、
「どんなものでも貫く」よう願ってな。
だが、それは間違いだったのだ
□ デュランダル
優れた武器たらん、という願う事が
なぜ過ちなのか?
□ バルカン
強さの本質を誤解しておったのだ。
戦地において敵をほふる能力の
是非を問うのではない
「強さ」とは制する事。
人を制し、場を制し、時を制する。
この影響力を「強さ」と呼ぶのだ
□ デュランダル
………わからぬ。
楯を貫き、鎧を裂き、
相手の魂を裂く
これが武具の本分ではあるまいか?
□ バルカン
武具の本分としては正しい。
だが、それは所詮武具の優劣に過ぎん。
使い手には関係無い事
□ デュランダル
………
□ バルカン
誤った「強さ」を求めた槍は
狂気に目覚めた
その威力に使い手を血に酔わせ、
敵味方の区別なく命を奪うようになる
あの槍は過ちの産物。
「強さ」を履き違えた、愚かな鍛冶師の
愚かな作品なのだ
□ デュランダル
その槍の名は?
□ バルカン
ゲイボルグ
※ 現世に戻る
□ スパーダ
ゲイボルグ…
□ ルカ
どうかしたの?
スパーダ
□ スパーダ
ちょっとな。
色々思い返してただけさ
オラ、アンジュ。
もう行こうぜ!
□ アンジュ
…そうね
□ エルマーナ
うひゃあ、エラい目に遭うた…